ITストラテジスト・午後Ⅱ対策:実際の問題を解く!(R2問1)

ITストラテジスト
セイジュン
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ITストラテジスト試験午後Ⅱ(論文)対策です。今回は2020年(令和2)開催の試験問題を題材にしていきます。今回は問1。「業務プロセス」の問題です。

こんにちは!セイジュン@エンジニア応援隊(@39Seijun)です。論文対策の基本は「論文の骨組み、プロット作り」にあります。今回から2020年(令和2)の問題を題材にとります。今回は問1、「業務プロセス」の問題です。

論文の解法については、こちら午後Ⅱ対策でまとめました。

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令和2年春試験:ITストラテジスト区分の午後Ⅱ問題(問1)

今回の例題は、令和2年(春):ITストラテジスト区分の午後Ⅱ問題の問1を使います。こちらIPAサイトから引用。

さて、問1。タイトルは「デジタル技術を活用した業務プロセスによる事業課題の解決について」です。

この原稿を書いている時点では若干トーンダウンした感がありますが、2020年当時は「業務プロセス」およびその一つの解決策としての「RPA」が流行っていたのですね~。

バズワードも含めてその時の新規性に高い情報を論文のテーマにしています。

ちなみに、2021年には早くもDXが題材に採り上げられましたしね。

さて、前置きが長くなりました。話を戻します。

問の本文は省略します。上記、公式サイトでご確認ください。設問ア~ウを以下、抜粋です。

 

設問ア あなたが携わったデジタル技術を活用した業務プロセスによる事業課題の解決において、解決しようとした事業課題及びその背景について、事業概要、事業特性とともに800字以内で述べよ。
設問イ 設問アで述べた事業課題の解決に当たり、あなたはどのようなデジタル技術を活用し、どのような業務プロセスを実現したか、その際に実現性を担保するためにどのような検討をしたか、800字以上1,600字以内で具体的に述べよ。
設問ウ 設問イで述べたデジタル技術を活用した業務プロセスが、事業課題の解決に貢献することについて、あなたが事業部門に説明した内容は何か。また、事業部門から指摘されて改善した内容は何か。600字以上1,200字以内で具体的に述べよ。

 

さて、今回も、問の本文を読む前に、論文の骨組み(プロット)は、設問ア~ウで導いてみましょう。設問での文字数指示から凡その文字数も補記してみます。

以下、です。

1.私が携わったデジタル技術を活用した業務プロセスによる事業課題の解決策・・・設問ア(800字以内の指示に対して、750字を想定)
1.1.事業概要・事業特性(250字)
1.2.解決しようとした事業課題(250字)

1.3.事業課題が発生した背景(250字)

2.事業課題の解決のために活用したデジタル技術・・・設問イ(800字以上1,600字以内の指示に対して、1,200字を想定)
2.1.活用したデジタル技術(400字)
2.2.実現した業務プロセス(400字)
2.3.実現性を担保するために実施した検討内容(400字)
3.業部門に説明した内容と指摘されて改善した内容・・・設問ウ(600字以上1,200字以内の指示に対して、800字)
3.1.業部門に説明した内容(400字)
3.2.事業部門から指摘されて改善した内容(400字)

 

どうでしょう。おおよそのバランス、こんな感じではないでしょうか。

では、問いの本文にいきましょう。冒頭、「今日、デジタル技術を活用した業務プロセスによって多くの事業課題の解決が可能となった」と始まります。

その後、ITストラテジストが行うこととして、「業務の特定」「事業課題の解決」の重要性を挙げています。

 

その後、病院と組立加工業における実際の業務プロセス改善事例が2つ列挙されています。

 

そして、結びとして「業務プロセス実現性の担保」にあたっては「デジタル技術の機能・性能・信頼性の検討」「先行事例の調査・実証実験」の重要性をあげ、加えてITストラテジストは「事業部門に説明」する必要がある旨、述べています。

 

本文の流れも、結論→具体例→結び という分かりやすい構成で、また設問ア~ウとの関連性も明確です。「業務プロセスをITで解決する」というのは普段皆さんの本業に近しいことから事例も想定しやすく、比較的くみしやすい問題だったと思います。

本文内にある病院の事例をもとに、論文プロットをちょっとだけ肉付けしてみます。

1.私が携わったデジタル技術を活用した業務プロセスによる事業課題の解決策

1.1.事業概要・事業特性

・中規模の病院の業務改善を行うプロジェクトに、ITストラテジストして参画

・当病院では、10科の診療を行い、外来・入院設備を持っている

・地域の中核病院であるため、看護師による患者とのコミュニケーションに定評がある

1.2.解決しようとした事業課題

・病院において、看護師が看護に専念できる環境を構築したい

・他方、リピートする患者が多いため、個々の患者の記録はしっかりと記載・保管したい

1.3.事業課題が発生した背景

・上記の課題解決に向けて院内で業務プロセス改善PTが組成

・看護師の行動をタイムスタディした結果、記録業務プロセスに過度の時間・労力を使っていることが判明

2.事業課題の解決のために活用したデジタル技術

2.1.活用したデジタル技術

・記録業務プロセスに音声認識装置とAIを導入

2.2.実現した業務プロセス

・記録業務プロセスのうち、定例化できる外来診療時の初期問診から導入

2.3.実現性を担保するために実施した検討内容

・音声認識装置のチューニングにあたっては、PoCを実施

・AIについては、医療辞書を用いて学習実施

3.事業部門に説明した内容と指摘されて改善した内容

3.1.事業部門に説明した内容

・看護部門へは、業務の効率化により看護への専念、また残業時間の軽減目標を説明

・医師部門へは、PoCの結果を提示し、医療品質への懸念を払拭

3.2.事業部門から指摘されて改善した内容

・AIの学習にあたっては、医療辞書に加えて処方薬辞書を用いてより精度を上げることを進言されて実践

 

いかがでしたでしょうか。

 

病院事務に明るくなく、また全くの一筆書きで恐縮です。皆さんは試験前にしっかりと想定事例をブラッシュアップして、信憑性のある具体例を当てはめてください。

 

とはいえ、いい訳ではありませんが、IPA側/採点者側も、全ての業種・業務に精通している訳ではありません。

あくまで、問いの本文と設問ア~ウの趣旨を素直に読み取り、それに合致したプロットを作成し、そこに(本来であれば実際に経験した)事例をこれもごくごく素直にマッピングし、全体として論理矛盾がなければ合格!となるはずです。

「本来であれば実際に経験した」事例が浮かばないかたは、

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今回は、ここまで、です。お疲れ様でした。また、次回ぜひお付き合いください。