ITストラテジスト・午後Ⅱ対策:実際の問題を解く!(R3問3)

ITストラテジスト

 

セイジュン
セイジュン

ITストラテジスト試験午後Ⅱ(論文)対策です。今回も2021年開催の試験問題を素材にして、解法を一緒に学習していきましょう。過去問を解く!そこからの学びが資格試験合格の最短コースです。

 

こんにちは!セイジュン@エンジニア応援隊(@39Seijun)です。論文対策の基本は「論文の骨組み、プロット作り」にあります。今回、令和3年(2021)の問3を例題に使います。いやあ、手ごわい!

そうそう、論文の解法については、こちら午後Ⅱ対策でまとめました。

 

論文対策は書く事、そしてそれを他者に採点してもらう事がポイント。一番良いのは、模試か通信教育の受講です。2025年度版の模試・通信教育情報、こちらの記事でまとめました。併せて是非!
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令和3年春試験:ITストラテジスト区分の午後Ⅱ問題(問3)

今回の例題は、令和3年春試験:ITストラテジスト区分の午後Ⅱ問題の問3を使います。

こちらIPAサイトから引用。さて、問3です。

組込み系の問題ですね。ちなみに、組込み系とは、

 

組み込みシステム(くみこみシステム、英: embedded system)とは、特定の機能を実現するために機械や装置等に組み込まれるコンピュータシステムである。PC等の汎用的なシステムと対比され、特定の機能を実現する目的で組み込まれる。産業用機器、医療用機器、家庭用機器等、制御を必要とする多くの製品に用いられている。~wiki「組込みシステム」の項より~

例えば、

POSレジ、 複写機、それこそスマホ、ファクス、モデム、TA、ルーター、LAN用機器など。自動販売機に、ATM。パチンコ機、パチスロ機、スロットマシン。自動血圧計、 心電計、 電子体温計など。

まあ、挙げるのにキリがないほど。現代では、あらゆる製品にITが組み込まれていますからね。

情報処理技術者試験の長い歴史の中で、組込み系・エンベデッドシステムは、午後Ⅰ、午後Ⅱの設問で必ず一定の問題が出題されます。

エンジニアとして、この領域に携わっている方が一定量いらっしゃるということですね。

ですので、業務系アプリケーションエンジニアやSIer、受託業務中心のかたは、この手の問題は避けたほうが無難。逆に組込み系に従事されいる方は日頃の業務に近いので、選択する候補になると思います。

さて、話を戻しましょう。問の本文は省略します。上記、公式サイトでご確認ください。

設問ア~ウを以下、抜粋です。

設問ア あなたが異業種メーカとの協業で企画・検討をした組込みシステムの製品概要、企画・検討に至った経緯を、新市場の特徴とともに800字以内で述べよ。

設問イ 設問アで述べた製品において、異業種メーカとの協業を検討した理由、協業する各企業の分担範囲及びそのトレードオフ、各企業から挙がった課題及びその解決策として考えられる内容を、800字以上1,600字以内で具体的に述べよ。

設問ウ 設問イで述べた異業種メーカとの協業について判断したことの妥当性、分担を考えた内容の妥当性、課題に対する解決策についての評価を、600字以上1,200字以内で具体的に述べよ。

 

今回も、問の本文を読む前に、論文の骨組み(プロット)は、設問ア~ウで導いてみましょう。設問での文字数指示から凡その文字数も補記してみます。

以下、です。

 

1.私が異業種メーカとの協業で企画・検討した組込みシステムの製品の概要、企画・検討に至った経緯・・・設問ア(800字以内の指示に対して、750字を想定)
.1.異業種メーカとの協業で企画・検討した組込みシステムの製品の概要(250字)
1.2.組込みシステムの製品の企画・検討に至った経緯(250字)
1.3.新市場の特徴(250字)
2.異業種メーカとの協業の概要・・・設問イ(800字以上1,600字以内の指示に対して、1,200字を想定)
2.1.異業種メーカとの協業を検討した理由(400字)
2.2.協業企業との分担範囲とトレードオフ(400字)
2.3.協業企業から挙がった課題とその解決策(400字)
3.異業種メーカとの協業に関する判断の妥当性・・・設問ウ(600字以上1,200字以内の指示に対して、800字)
3.1.分担を考慮する際の妥当性(400字)
3.2.課題に対する解決策の評価(400字)

 

どうでしょう。おおよそのバランス、こんな感じではないでしょうか。

では、問いの本文にいきましょう。

冒頭、「異業種メーカとの協業による組込みシステムの製品が様々な市場に進出している」と始まります。

続いて、異業種メーカとの協業による組込みシステムの製品企画の戦略、背景やその効用・メリットなどが語られます。

その後、具体的な商品の例として、「デジタルサイネージメーカでは、防災機器メーカ、自動販売機専門メーカとの協業によって”高機能型 IoT 自動販売機”を製品化している」と挙げられています。

 

デジタルサイネージとは、ディスプレイを利用した広告のこと。まあ、電子看板とでも言えますかね。こんな感じです。

 

 

この例を、設問ア.に当てはめてみると、

1.1.異業種メーカとの協業で企画・検討した組込みシステムの製品の概要

・デジタルサイネージメーカとして、BtoCの領域のマーケティングに長けているわが社

・異業種として、防災メーカ/自動販売機メーカと協業

・商品企画として、自動販売機の全面にわが社のデジタルサイネージを配置し、通常は商品の広告や地域のニュースを掲示し宣伝に役立てた

・また災害時には緊急速報などを発信する機能を付加した

1.2.組込みシステムの製品の企画・検討に至った経緯

・BtoCに対するマーケティングに強みを持つ当社と、「自動販売機」自体を広告塔として利用できる販売機メーカ、そして災害対策に強みを持ち情報発信できる防災機器メーカの3社の強みを活かす企画として検討に至った

といった具合です。

 

さて、設問イ.です。

ここからは、実際に組込み系システムを活用した商品企画をした体験がないと、ナカナカ手ごわいです。

2.1.異業種メーカとの協業を検討した理由

ここは、問い本文の中にヒントがあります。

検討した理由:「既存製品の市場におけるライフサイクルのステージが成熟期・衰退期の時期であっても、異業種メーカとコラボすることで、既存製品を新たなニーズに対応した価値のある製品として市場に投入できる」と考えたから。具体的に書ける事例が浮かびますでしょうか。

さらに、ここからが難しい。

2.2.協業企業との分担範囲とトレードオフ

最適な商品を企画するため、協業企業間で役割範囲をどのように明確化したか。その事例が書けるとOK。

2.3.協業企業から挙がった課題とその解決策

協業時の課題。両者での重複部分や、逆にどちらも拾わないポテンヒットとなった事例などが思い浮かべれば。そして、その対策を記載します。

設問イの文脈のまま、設問ウが繋がります。

 

3.1.分担を考慮する際の妥当性

上記の、2.2.の考慮点。

3.2.課題に対する解決策の評価

そして、設問ウで、頻出である「評価」で結びます。

いかがでしたでしょうか。ここまで見てくると、組込み系システムのエンジニア向け出題ではなく、ITを活用した商品企画・マーケッター向け出題という感じですね。

かつて、ITストラテジストという試験区分が出来た時には想像もつかない設問です。それだけ、ITストラテジストの領域・ウィングが広がったと思い知らされる問題でした。

毎度のアドバイスとなり恐縮ですが、実体験がない場合は、どれだけ世の中の事例に当たれるかがカギになります。ここら辺の知識習得については、日経コンピュータが本当にオススメです。

こちらにまとめました。

>>日経コンピュータ:定期購読

今回は、ここまで、です。お疲れ様でした。また、次回ぜひお付き合いください。