
ITストラテジスト試験午後Ⅱ(論文)対策、2023年(令和5)開催の試験問題を題材にしています。今回は問3。表面的には「組込み系」の問題ですが、本質的には商品企画・製品戦略の問題です。難問!
こんにちは!セイジュン@エンジニア応援隊(@39Seijun)です。
午後2対策の「論文の骨組み、プロット作り」、2023年(令和5)の問題を続けます。今回は23年ラストの問3をやってみます。
論文の解法については、こちら午後Ⅱ対策でまとめました。過去問:令和5年春試験:ITストラテジスト区分の午後Ⅱ問題、こちらIPAサイトから引用しております。原典も是非ご参照下さい。
令和5年春試験:ITストラテジスト区分の午後Ⅱ問題(問3)
さて、問3。タイトルは「組込みシステム・IoT製品の社会環境の急変に勝ち抜くための革新的な製品戦略について」です。
まず、先にご報告です。この2023年(令和5年)をもって、ITストラテジスト午後Ⅱから問3がなくなりました。「組込み」系の問題がなくなったんですね~。
IPAのサイトの「試験要領改訂」の資料を見ると、2022年12月版に「午後Ⅱの出題数を変更しますよ」と書いてありました。適応が2023年10月からとなっていたので、この2022年がラストの問3、ということです。
この後、実際に問題を見ていくと分かるのですが、もともとこの問3は「組込み系」と謳っておりますが、本質的には商品企画や製品戦略の問題だと思います。こちら2021年の問3を解いてみた際にもそんな話をしたかと記憶しておりますので、よろしければ。
ITストラテジストを目指す方々を大きく2つに分けると、システム開発会社側とユーザー企業側ということになります。で、システム開発側とすると、SIerとして顧客企業のシステムを開発する受託開発というのが多くなり、ユーザー企業側であれば、まさに自社sのシステム開発となる訳です。
この2つの分け方からこぼれているのが、商品・ソリューションとしてシステム開発をし、それを自社ブラント・商品としてマーケットに出すというもの、それを組込み系の枠で捉えているのだと考えています。あくまで私論です。
ですので、表面的には「組込み系が」と枕詞を置いていますが、実際は商品企画関連の問題になるのではないでしょうか。繰り返しますが、あくまで私論です。
もうひとつ付け加えると、【実際に携わった業務】で、商品企画・開発をされた経験がある方はきわめて少ないと思います。私もありません。ですので、事例をひねり出すのがすごく難しいと思います。
ポイントは、あまり大きな商品・ソリューションを挙げないようにすること。クラウドやAPI、簡易ツール(ノンコーディング)を使って、ニッチな業務や産業商品をこしらえている事例などを収集しておく必要があります。ここ、あとで本文の中に出てきますので、その際に再度振り返ります。
「でも、組込み系の問題、もうでなくなるんでしょ」と言うなかれ。商品企画の問題だとすれば、今後、問1,2の中に出てくる可能性があるんですから。
以上 余談が長くなりました。実際の問題に入ります。ここまでが長かったので、今回はさらっと、本文の読み込みだけにしておきます。
タイトルは前述の通り。本文はかなり振りかぶって大上段から始まります。「近年、新型コロナウイルス感染拡大による新しい生活様式、(略)、少子化による労働力低下の問題など、社会環境が急変している。(略)革新的な製品を投入する製品戦略が重要」。ここまでで第一段落。コロナが国内で拡大したのが2020年春ですので、2年後には問題文の中に登場というのは早いですよね。
以降、第二段落で、具体的な革新的な製品の例が2つほど挙げられます。①コンビニの冷蔵室の補充を無人化する「飲料自動補充システム」②陸上での「エビ養殖システム」
そして、第三段落では製品戦略の立案方法として「技術主導型」「ニーズ主導型」「類似商品型」「商品コンセプト型」があること、いずれの方法を採るにせよマーケティング・技術情報の収集が必要かつステークホルダへの提案も重要と繋ぎます。
第四段落は、第三段落に加えて製品化の過程でも課題の抽出・解決策の策定が重要、として結びです。
どうですか~。個人的には難易度嵩、自己の経験値低、で問1か問2を選択するのかなと思います。ただ、ここで記憶に留めておきたいのが、IPAがITストラテジストに求める能力として商品企画・製品戦略の立案があるということ。そして、その商品というのが、前半にも書いた通り、何も壮大・長大なソリューションでなくても大丈夫、ということ。
何もメガバンクの高度なバンキングシステムでなくてもいいし、旅行代理店を結ぶクリティカルな座席予約システムでなくていいのです。エビ養殖の事例など、陸上ハウス内での温度検知とエアコンの連動、窓の開閉や水温管理、餌供給の半自動化といったものの組み合わせだと思います(もちろん、これも大変なのですが、組み合わせが浮かびますよね)。
こういった事例をいくつ拾っておけるかが鍵ですね。テレ東のWBSを見てハッと思ったらメモっておくとか。まあ何より、こちら、日経コンピュータを読んでおくとか(スイマセン、いつも着地が同じ宣伝で。でもホント大事です)。
>>日経コンピュータ:定期購読
日経コンピュータの効用について、こちらにまとめました。
さて、これで2022年(令和5年)の3問終了です。次回から2023年に入ります。