今年読んで面白かった本5選【2022年】

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セイジュン
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こんにちは、セイジュン(@39Seijun)です。早速ですが、今回は年末総括モノの一つ「今年読んで面白かった本5選」をお届けします。

2022年もあとわずか。12月も最終週に入り、いよいよ押し迫ってまいりました。この季節になると、流行語大賞、今年の漢字などなど、一年のまとめが各所で行われます。

メディア・報道だけでなく、皆さん一人一人に今年のニュースがあり、またベストバイがあり、そして感動した本があるかと思います。ここでは僕自身が今年読んで面白かった本を5作、ご紹介したいと思います。

なお、何となくバラエティ豊富にと思いまして、漫画1冊、小説(国内)1冊、小説(海外)1冊、学習書1冊、ビジネス書1冊としてみました。では、早速いきましょう!

 

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ドカベン31巻

まずは今年読んだ漫画から1冊。

「ドカベン」 31巻 水島新司著

 

今年(2022年)、1月中旬。水島新司さんの訃報が飛び込んできました。

我々70~80年代に小学・中学を過ごした世代にとっては、野球漫画といえば水島新司さん。

男どアホウ甲子園、一球さん、野球狂の詩、球道くん。そして何と言っても、ドカベン。

そのドカベンの中で極北に位置するのが、この31巻です。

ご存知ドカベンは、山田太郎が最初は柔道に打ち込む中学時代から、最終的にはプロ野球までと続く、まさに一大サーガ。

物語は1972年の「ドカベン」連載開始から「大甲子園」「ドカベン プロ野球編」「ドカベン スーパースター編」と続き、2018年に完結する「ドカベン ドリームトーナメント編」まで46年間の月日を要しました。

なのですが、その真骨頂は、高校1年の夏から高校3年の春までの「ドカベン」ではないでしょうか。

全48巻。

僕が小学生時代は「俺は1巻から15巻までと、飛んで22巻だけ持ってる。抜けたところは、友達といとこが持ってる」なんて感じでコンプリート意欲・所有欲というのはなかったのですが、もちろん全巻をそれこそなめるように繰り返し読んでいました。

神奈川県大会の好敵手、土門、不知火(個人的にはドカベンで最も優れた投手だったと思います)。関東では影丸に賀間。甲子園では通天閣高校の坂田、いわき東のフォークの緒形、高知の土佐丸高校の犬飼兄弟。

1年の春は準決勝で土佐丸高校、決勝でいわき東との死闘を経て明訓初優勝。そして、迎えた高校2年の春。因縁の土佐丸高校との決勝となり、その熱闘がこの31巻に収められています。

 

水島さんの訃報を知り、どうしてもあの31巻を読み直したくなり、三十有余年ぶりに再度購入。繰り返し味わいました。

 

土佐丸との死闘のサイドストーリーとして、明訓四天王と言われる山田・里中・岩鬼・殿馬がなにゆえ今、この甲子園で試合に臨んでいるのかが描かれています。

 

お坊ちゃまだった岩城が優秀な兄貴たちのなかで何故ああもノビノビと育ったのか。

「小さな巨人」里中が、どうやってエースの座を勝ち取ったのか。

祖父と妹サチ子と暮らす山田の両親に何があったのか。

天才ピアニストでもある殿馬が何故いまこうして甲子園で野球をやっているのか。

 

甲子園のプレーの進行にシンクロするように、四天王たちのストーリーが描かれます。

これこそが、フィクションの妙であり、映画・小説・そして何より漫画の真骨頂だと、小学生の僕も50歳を超えた僕もシビレタところです。そしてもう一つシビレタのが、劇的な幕切れを演じるのが主人公山田ではない点。これもすごいな~。

 

今年、スラムダンクの映画版も見ました。

 

そして、やはり感涙でした。

いみじくも、スラムダンクの著者井上雄彦さんもこのドカベン31巻に魅了され、生前の水島さんと対談したと聞きます。

スポーツを漫画で読む醍醐味、たっぷりと味わえる一冊です。この巻だけ買って読んでも十分に分かる筆力があります。

お試しあれ。

 

 

グレート・ギャツビーを追え

続いて、翻訳モノ小説を1冊。

「グレート・ギャツビーを追え」 ジョン・グリシャム著、 村上 春樹訳

 

単行本として出た当時(2020年10月)、図書館で借りて一読。今年の秋、文庫で発売になったので購入し、再読しました。

いやあ、面白い!大まかなストーリーは覚えていましたが、サスペンス・ミステリー特有の伏線やクールな描写などは忘れてしまっていたのですが、改めて堪能できました。

Jグリシャム氏の著作は本作が初めてで、米国のミステリー・サスペンス作家の大御所という認識があった程度です。そうそう、原作を提供した「ペリカン文書」はかつて映画で見ました。

正直、この本を手に取ったのは翻訳が村上春樹氏ということにあった訳です。

 

でもまあ、この手の翻訳モノ、ぽってりと分厚い量のあるサスペンス・ミステリーものというのが昔から好きでした。我々世代はぎりぎり早川のポケミスの二段組を読んだ最後の世代でありますし。

本作も、重層的なプロットといい、執拗といってもいいくらいの描写といい、なんていうのか、やっぱ肉食って体力つけて小説書いてるなあという感じがします。

 

冒頭、とある犯罪が静かに進行していきます。先ほど挙げたポケミスの悪党パーカーシリーズを思い出しました。ここまでが映画でいえばプロローグ・シーン。

その後、一気に場面はフロリダに飛び、南の半島の甘い香りと穏やかな海風、高級避寒地特有のスノッブな雰囲気と、そして主人公ブルースのスタイリッシュな風貌・振る舞いが描かれていきます。これは男でもやられますね。

 

周囲の登場人物も、いい意味のステレオタイプが見事に描かれていて、実に魅力的です。

こういう描写が出来るのは作者の筆力だけでなくて、これまで実際にお金をたくさん使ってきたからなんだろうなあと変に納得してしまうスノッブ感です(但し、鼻もちならない感じではないのはやっぱり筆力)。

 

謎解きも、あ~、なるほどという伏線回収。ですがここはネタバレになるので、多くは語らず。

加えて、村上春樹さんのクールな翻訳がやっぱり絶妙な隠し味になっていて、ここも楽しめる一因です。

調子がよければ、夜の長いこの季節に、お酒でも飲みながらぐいぐい読み進めるパターンの一冊です。おすすめ!

 

ディス・イズ・ザ・ディ

続いて、国内作家の小説。

「ディス・イズ・ザ・ディ」 津村記久子 著。

 

日本全国に点在する全22チーム。すべて架空のチームを創作し、現実世界でいうところのJ2リーグを模して、連作短編小説が展開されます。

 

この小説の最大の魅力は、主人公が12番目の選手、つまりサポータであるところ。

平凡な日常のアレコレをなんとかなだめすかしてやり過ごして、そして週末になると試合会場に足を運んで選手を応援する老若男女、平凡な主人公たちが描かれています。

彼ら彼女らが応援するチームは、当然、勝つ日ばかりではなく、負ける日、負け続ける日々もあります。

降格の憂き目にあうチーム・選手がいるということは、その結果に打ちひしがれるファンもいるということです。

彼ら彼女らの日々を、津村さん特有のクールかつユーモア、そして(クールといっておいて真逆なのだが)温かく描かれていきます。ホント、読みながらニヤニヤしてしまい、でも鼻の奥がツーンとしてしまうところも多々ありました。

たまたまWカップイヤーに再読できて良かった。サッカーだけでなく、全てのスポーツファンにおすすめの一冊です。

 

詳説 日本史B

 

今年の秋、上野の森にある東京国立博物館の国宝展に行ってきました。

国立博物館は、明治初期の「西洋に追いつけ」という世情の中で出来たと聞きます。それから150年。現在ではトーハクという愛称で知られる博物館では周年行事として国宝展が開催され大にぎわいでした。

縄文・弥生時代の遺跡から発掘された品々から始まり、明治期のものまで。まさに国の宝物の数々が、キュレーターの皆さんのちょっとどうかしちゃってる情熱で展示されています。

来場客の熱気もあって楽しく拝見できましたが、何しろ歴史に対する知識のなさに我ながらあきれ返ってしまいました。そこで帰宅後、ここから勉強し直しかなと思い、図書館で借りたのが「まんが日本の歴史」。

漫画で読むシリーズは、小学館、KADOKAWA、学研、講談社、集英社と各社から出てます。

歴女としても有名な女優の案さんが紹介されていますので、こちらもぜひ。

今回は、KADOKAWA版を読んでみました。買ってしまおうかとも思ったのですが、やはり冊数の多さと大きさで保管場所がなく、今回は図書館で。

時代の順番で借りたいところもあり、数週間待ちの時期もありました。でも、本書は小学生の皆さんがメインの読者。彼ら彼女らが、ワクワクしながら読んでいるのだなあと想像するのも、一興でした。実はこちら、まだ途中、次はようやく戦国です。

そして、漫画と並行して読み進めているのが、今回おすすめの一冊、高校の教科書「詳説 日本史B」。ご存知、山川出版社の一冊です。

何十年ぶりかに読み直しましたが、実によくできていますね~。僕が30~40年前に使っていたものとは当然ながら版数も更新されており、写真や図表などの見やすさなどは格段にバージョンアップ。

文章は簡潔にして十分な表現。各所でなるほど、と歴史の展開・転換を学んでいます。

そうそう、今年は大河ドラマを久しぶりに1年間見ました。

「鎌倉殿の13人」。

あの愛憎の50年が、この表に簡潔に表現されています。

 

でも、この簡潔さだと高校生の僕には響かなかっただろうなあと逆に納得。

改めて学び直しの重要性にも感じ入っているところです。

 

サイコロジー・オブ・マネー

最後は、ノンフィクション。ビジネス書から1冊。

「サイコロジー・オブ・マネー」モーガン・ハウセル著 児島修訳

これはリベ大の両学長のYouTubeで紹介されていたことから、ごく最近に読んだ1冊です。タイトルを訳せば、「お金についての心理学」となりますか。

「お金」について、とありますが、この本を読んで真っ先に感じたのは「メタ的な視点の大切さ」です。

欲求に対する感情、不安・恐れの本質、他人との比較、富の功罪。。色々なことが語られているその通底に、いかに自分(と他者)を俯瞰して見ることができるか、ここを上手く理解して実践できるようになれば、自分の感情に余裕ができて、結果的に生活にも余裕ができるのではないかな、と思った次第です。

この本を読んだおかげで、お金に対して冷静に考えることが出来るようになった気がします。

もともと、あまり「大きく出ない」タイプの人間なのでイチかバチかの勝負はしないのですが、引き続き、無理のない仕組みに基づく節約と、毎月一定額の投資信託(オルカン)の積み立て、あとは高配当日本株を楽しみにずーっとホールドというのでいこうと思います。

ビジネス書・啓蒙書というと、中身が薄いか、えらく即物的な具体例か、なんだか怪しいスピリチャル系かというのも多いのですが、この本は滋養に効く良書でした。

おすすめです。

 

まとめ

以上 5冊。発行は昨年以前のものもありますが、今年読んで面白かった&ためになった本5選でした。

ちなみに私の読書量ですが、年間だいたい2~30冊程度。

学生時代から社会人初期の頃は通学・通勤時間のほとんどを読書に充てていたので、だいたい200冊程度は読めていたのですが、最近はガクンと減ってしまいました。

電車内もスマホいじりに傾注してしまいがち。机に向かって、と思ってもついついyoutubeをボンヤリみたり。

 

本の小さい文字が目にショボショボなどと言い訳はありますが、あまりにひどいと反省。

来年はもうちょい読書時間を確保して、量は最低でも現状維持、質のアップとして読後の内省・アウトプットを意識していきたいと思います。

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ブログにも読後感想を上手くまとめられれば。ではでは。

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