こんにちは、セイジュン@アラフィフ応援&80年代少年です。今回は「そんなヒロシに騙されて」で行ってみましょう。サザン・バージョンも良いですが、高田みづえさんバージョンも絶品ですね!
80年代あいうえお辞典、今回は「そ」の項。「そんなヒロシに騙されて」です。
まずは、「そんなヒロシに騙されて」の楽曲自体についてです。
1980年代初頭時点で、ちょっと懐かしいGS風、そしてテケテケ・・・というエレキの調べはベンチャーズへのオマージュですね。サザンバージョンでの原坊のボーカル、カバーでの高田みづえさんの歌声もイイ感じに、はすっぱ感があって「サイケな夏を横須賀で」とエンディングに向けて仕上がっていきます。
ヒロシとは、もちろんサザンのドラム松田弘からの連想なのでしょうが、そんなにナンパなイメージはないですよね。
綺麗に収録:サザンオールスターズ・バージョン
「そんなヒロシに騙されて」は、1983年に発表されたサザンの6枚目のアルバム『綺麗』に収録されています。
収録ナンバーは次の通り。
2.赤い炎の女
3.かしの樹の下で
4.星降る夜のHARLOT
5.ALLSTARS'JUNGO
6.そんなヒロシに騙されて
7.NEVER FALL IN LOVE AGAIN
8.YELLOW NEW YORKER
9.MICO
10.サラ・ジェーン
11.南たいへいよ音頭
12.ALLSTARS'JUNGO
13.EMANON
14.旅姿六人衆
”エスパー矢口”こと矢口博康さんのサックスが快走する「マチルダBABY」から始まるA面の終盤、6曲めに配置されています。
当時はCDではなくレコードの時代。7曲目のバラード「NEVER FALL IN LOVE AGAIN」(これも名曲!)がA面ラストでしたので、ラス前に原坊のボーカル曲を配置するのはニクイですね。
このアルバムは、1983年の年間チャート5位にランクイン。詳しくはこちらに書きました。
ソングライターとしての桑田佳祐さん
さて、1980年代初頭のサザンは、
1985年: KAMAKURA
といった具合に、毎年コンスタントに1枚のアルバムを制作していて、85年のKAMAKURAに至っては2枚組でした。
この後、原坊のご懐妊もあって一時活動休止、桑田さん自身はKUWATABANDとソロの活動が始まって、サザンのオリジナルアルバムは1990年の、その名も「Southern All Stars」まで待たなければなりませんでした。
ちなみに、サザンの楽曲は「アマプラ」なら無料配信です。良い時代ですね。
さて、話を80年代初頭の桑田さんのソングライティングについて、戻しましょう。
この時代、桑田さんが他者に提供した作品をピックアップすると、何と言っても中村雅俊さんの「恋人も濡れる街角」(1982)ですかね。
個人的には、小林克也&ザ・ナンバーワンバンドの「六本木のベンちゃん」が好きでした。桑田さんのボーカルも入っています。あとはタモリさんや、ちょっとキワモノですが「アミダばばあの唄」(1983)などもあります。
他方、提供曲ではなくカバー曲も名曲ぞろいです。
高田みづえさんによる「私はピアノ」(1980年)は「タイニイ・バブルス」からのカバー。
研ナオコさんによる「夏をあきらめて」(1982年)は「 NUDE MAN」からです。
そして、再び 高田みづえさんが1983年8月にリリースしたのが「そんなヒロシに騙されて」なのです。
デビュー6年目、高田みづえさんバージョン
高田みづえさん。
1977年3月25日に「硝子坂」でデビュー(同期は清水健太郎、狩人、太川陽介、榊原郁恵、清水由貴子、荒木由美子、香坂みゆき)。
第19回日本レコード大賞・新人賞、日本歌謡大賞・放送音楽新人賞、FNS歌謡祭・最優秀新人賞などの新人賞を受賞。『NHK紅白歌合戦』には1977年、1978年と2年連続で出演。その後1980年から1984年まで5年連続出場で計7回の出場です。
ちょっとだけ鼻にかかる声。その伸びやかなボーカルは、アイドルというより歌謡曲の王道の素敵な歌声でした。
小柄でショートカット。前歯がちょっと出ていて超美人というよりベビーフェイスのかわいい女の子でした。
『8時だョ!全員集合』『カックラキン大放送!!』でのコメディエンヌぶりも記憶にあります。
「硝子坂」、「だけど…」、「潮騒のメロディー」、「真夜中のギター」などなど。なぜかB面の曲がヒットしたりと、いい歌がじわじわ売れる時代でもありました。
その中の作品として「私はピアノ」と「そんなヒロシに騙されて」が入っているというのは至極納得です。
高田みづえさんの「そんなヒロシ」は、1983年年間オリコン45位とスマッシュヒット。
そうそう、高田みづえさんの楽曲も、2021年1月にストリーミング配信解禁になりました。「アマプラ」なら無料配信です。
1985年2月、大関・若嶋津との婚約を発表すると同時に、歌手活動を含めた芸能界引退を表明します。
若嶋津!
横綱にはなれませんでしたが、二枚面で強くて人気の力士でした。何しろ「キャプテン翼」の若嶋津君の名前にも起用されるなどですから。
高田みづえさん、8年間の芸能活動でした。
その後、若嶋津関も引退。二所ノ関親方となり、近年体調を崩されているようですが、みづえさんは親方夫人、相撲部屋のおかみさんとして活躍されいるようです。素晴らしいなあ。
では、次回の80年代あいうえお辞典。た行に入ります。「た」の項でお会いしましょう。